« 新入社員の方が決まりました | トップページ | インボイス方式の導入による免税事業者への影響 »

2018年5月 9日 (水)

消費税のインボイス方式導入による会計実務への影響

(1) 概要

平成31101日より消費税が10%に上がる予定です。これに合わせてインボイス方式という制度が段階的に導入される予定です。インボイスとは、簡単に言えば仕入税額控除をするための金券です。今後はインボイスの保存が仕入税額控除の要件とされ、インボイスがなければ仕入税額控除が受けられなくなります。

例えば、通帳に「電気代」とあれば領収書や請求書がなくても、「水道光熱費(8%)」とする処理が慣例的に認められていましたが、今後はインボイスが具備されているかの確認が必要になります。

今回はインボイス方式の概要について会計実務を中心に書きます。

 

 

(2) インボイス方式の特徴

インボイス方式の特徴は以下の2点に集約されます。

① 適格請求書等(インボイス)がなければ「仕入税額控除」ができない。

② 適格請求書等発行事業者の登録がなければインボイスを発行できない。

 

①の適格請求書等には以下の記載要件があります。

イ 適格請求書等を発行した事業者の名称

ロ 課税資産の譲渡等を行った事業者の登録番号

ハ 課税資産の譲渡等を行った年月日

二 課税資産の譲渡等の具体的な内容

ホ 課税資産の譲渡等の適用税率別の対価の額の合計額及びその適用消費税率

ヘ ホに対応するそれぞれの消費税額

ト 買い手の事業者の名称

 

現行の請求書等の記載内容と大きく異なるのはロ、ホ、ヘです。

ロの登録番号は適格請求書等発行事業者の登録申請が必要になります。登録申請をすることができるのは課税事業者に限られるため、②は課税事業者でなければインボイスを発行できないと読み換えることができ、今後、免税事業者からの課税仕入れについては仕入税額控除の対象外となる予定です。

ホ、ヘは税率改定に伴い、一部飲食料品については8%の税率が引き続き適用されます。そのため、適正な請求書等の作成要件として購入した商品などに課される税率を請求書等で明らかにする必要があります。

 

 

(3) 実務上の準備

インボイス方式に合わせて現場でも以下の準備が必要となります。

① 複数税率対応レジや複数税率対応受発注システムの導入

② 複数の税率に対応した納品書や請求書、領収書への変更

③ 軽減税率対応商品の把握やお客様対応、仕入担当、経理担当の社員研修

④ インボイスの管理方法の確立

 

 

(4) インボイスの管理方法

インボイスは単に適格請求書等を保存するだけでなく、定期的にそのデータを税務署に送ることになると思われます。具体的には紙やスキャナーで請求書等を保存した上、データを税務署に送りタイムスタンプを受けます。納税者は送付したインボイスデータを基に仕入税額控除を行い、税務署は提出されたデータと申告書上の仕入税額控除が一致しているかの確認を行う予定です。欧州では上記作業を行う専門業者がおり、日本でも事業者自身、会計事務所、専門業者のいずれかが上記作業を行うことになると思われます。

 

 

(5) 終わりに

税率改定とインボイス方式の導入が合わさって大掛かりなシステム変更や社員教育が必要になります。特に税率改定は1年半後に控えており、金額面だけでなく、社員の知識や危機感を高めないと、トラブルになり会社の評判を下げる結果にもなりえます。

会計事務所やシステム会社と連携を図るだけでなく、社内外の研修により全社的に知識を高めることが重要だと考えます。

 

次回は(2)で触れた免税事業者のインボイス方式導入に伴う影響について書きます。

« 新入社員の方が決まりました | トップページ | インボイス方式の導入による免税事業者への影響 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1395177/73454834

この記事へのトラックバック一覧です: 消費税のインボイス方式導入による会計実務への影響:

« 新入社員の方が決まりました | トップページ | インボイス方式の導入による免税事業者への影響 »