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2018年5月10日 (木)

不動産を売買する場合の保有目的や消費税区分

不動産会社に限らず、自社で物件を購入する場合、保有目的や消費税の区分など注意することが多々あります。

最近もマンション販売事業者の消費税の仕入税額控除の処理について課税当局により否認されている事例が多数あるようです。

今回は保有目的による計上の取り扱い、消費税の用途区分について簡単にまとめました。

 

■1販売用不動産等と固定資産における会計処理

一般的は会計処理は以下のようになります。

〇購入した不動産が自社使用目的、賃貸事業目的のとき

表示科目固定資産に計上

決算時減価償却が行われる(土地を除く)

売却時売却額と売却時の帳簿価額の差額は特別損益の区分に計上

 

 

〇購入した不動産が販売用目的のとき

表示科目商品(棚卸資産)に計上

決算時減価償却が行われない(著しい陳腐化等による評価損を計上する場合あり)

売却時売却額は売上、売却時の帳簿価額を売上原価にする

 

 

■2消費税の用途区分の取り扱い

販売用不動産購入時の消費税の取り扱いは、販売目的、居住用の賃貸投資目的のどちらかによって消費税の区分が大きく変わってきます。

 

(消費税法上、課税期間中の課税売上等に係る消費税額からその課税期間中の課税仕入等に係る消費税額を控除することが認められていますが、課税売上高が5億円を超えているとき又は課税売上割合が95%に満たない時は、「課税売上に対応する部分」のみ仕入税額控除が認められています。)

〇購入した不動産が自社使用目的、賃貸事業目的のとき

居住用の賃貸投資を目的として購入した場合、建物に係る消費税は、「非課税売上にのみ対応するもの」として仕入税額控除の対象とすることはできません。

自社使用の場合はその用途にもよりますが「課税資産の譲渡等とその他資産の譲渡等に共通して要するもの」として課税売上割合に応じた仕入税額控除の対象とることができます。

〇購入した不動産が販売用目的のとき

販売を目的として購入した場合、購入時に支払った消費税を「課税売上にのみ要する課税仕入れ等に係るもの」としてその全額を仕入税額控除の対象とします。

ただし、販売目的のためであっても、購入時にすでに居住者がおり非課税売上となる居住用の賃貸料収入を得ている場合等は「課税資産の譲渡等とその他資産の譲渡等に共通して要するもの」として計算する必要があります。

平成25年6月26日のさいたま地裁判決では、全額仕入税額控除の対象とするためには、購入時の現況だけでなく、「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等だけをいう」としており販売用目的以外に利用することが考えられる場合は、「共通」として課税売上割合に応じた消費税のみが仕入税額控除の対象となるとしています。

 

オリオンNS

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